次のような症状はありませんか
- 視点が定まらない
- 教室の最前列でも、黒板の文字が見えにくい
- 定期検診で視力が不良。自宅で行う3歳半検診などで上手に計測できなかった場合や、はっきりと視力が出ているか判断できない場合、眼科で健診を受けるようにしてください。
未就学児童への注意点
幼児の眼の病気で最も気にしてほしいのが、弱視です。メガネやコンタクトレンズで矯正しても視力が1.0以上でない状態です。
重症でない限り、見えにくそうにしている幼児はまれで、ご両親も異常に気づかないケースが少なくありません。3歳児健診で、少しでも疑いがあれば専門医の検査を受けてください。
早期に発見できれば、メガネやアイパッチを使用した治療で改善することができます。
小学生から中学生への注意点
小学校、中学校に通うようになれば、毎年定期診断を行いますので、眼の異常は発見されやすくなります。検診の結果が「B判定」でも自己判断せず、眼科を受診するようにしてください。
近視の進行を防ぐ目薬やメガネなどが開発されています。詳しくは当院にお問い合わせください。
近視の進行を抑える治療
近視は屈折異常のひとつです。裸眼のままでも近くの物にピントは合いますが、遠くの物には焦点が合わず、ぼやけて見えます。
幼い時期から近視が始まると、将来的に「強度近視」になるリスクがあり、「強度近視」による黄斑変性症など、治療が難しい病気もあるため、近視進行を予防することは大切です。
低濃度アトロピン0.01%点眼薬
低濃度アトロピン0.01%点眼薬とは小児期の近視の進行を軽減させることを目的に開発された目薬です。
特徴
- 毎日1滴点眼するだけの簡単な治療法。
- 副作用がほとんどない。
- 光のまぶしさに影響を受けないため、サングラスの着用はほぼ不要。
対象の方
- 6歳以上のお子さま
- 軽度または中等度の近視の方
- 少なくとも2年間の継続的な使用をおすすめ。
低濃度アトロピン点眼薬「マイオピン」
特徴
アトロピンの配合率が0.01%と低く、副作用はほぼ皆無とされています。光のまぶしさに影響を受けないため、サングラスもほとんど不要です。毎日一滴を点眼するだけですから、お手入れが非常に簡単なことも、大きなメリットといえるでしょう。
対象年齢
6歳以上のお子さま
少なくとも、2年間の継続的な使用をお勧めいたします。
治療の流れ
1診察
お子さまの視力や目の状態などを検査。
2説明
診療した後、ご希望がある患者さまにのみ目薬の注意点や使い方などをご説明します。
3処方
1か月~3か月分の目薬を処方します。使い切ったら、目薬を受け取りにご来院ください。
4定期検査
1か月〜3か月ぐらいを目安に定期的な検査や診察を行います。
近視抑制レンズ(MCレンズ)
特徴
- 眼への負担を軽減。
- 児童用の小さいフレームを考慮して設計。
- 手元作業時の緊張を緩和。
対象年齢
- 6歳以上のお子さま
治療の流れ
1診察
お子さまの視力や目の状態などを検査。
2説明
試しがけ用レンズを用意しています。見え方やかけ心地を確かめながら、ガイダンスを受けてください。
3処方・定期検査
お子さまの成長に合わせてMCレンズの掛け替えが必要になります。年2回を目安に受診してください。
斜視とは
斜視とは、片目は対象物に正しく向かっていても、もう片方が明後日の方向を向いている状態です。目の筋肉や神経などの異常や、遺伝的な要因などが考えられます。
目のがんや先天性白内障など、重篤な病気の初期症状としてあらわれるケースもあります。少しでも気になる場合、眼科医の元で検査を行ってください。
弱視とは
メガネやコンタクトレンズを使っても1.0以上の視力がでない状態です。
弱視は早期発見と早期治療がとても重要です。8歳までに治療を始めないと一生治らないと言われていますが、状態によっては5歳、6歳でも治療が難しいケースもあります。
しかし、3歳半までに発見できれば、治る可能性が高いです。3歳検診で少しでも違和感を覚えた場合や、左右に視力差がある場合は、眼科で視力検査を行うようにしてください。医療用メガネやアイパッチを使用して治療します。
先天性鼻涙管閉塞とは
目と鼻を結ぶ涙の通り道が、生まれつき閉じている病気です。1歳半を過ぎてしまうと治療が難しくなります。「泣いていなくても、涙がでる」「めやにが繰り返しつく」などの症状が見られます。気になる方は専門医の診断を受けてください。
なお当院では、1歳半を過ぎたお子さまの治療は行っていません。治療をご希望の方には、大学病院を紹介しています。
はやり目 (流行性角結膜炎)
アデノウイルスが感染して起こるウイルス性結膜炎です。「はやり目」と呼ばれています。伝染力が強く、家庭内感染や学校内の集団感染などの原因にもなりますので、保育園や幼稚園の通園ができなくなります。
当院では、疑いのある子供にははやり目の検査を必ず行うように徹底しています。別の部屋で診断をしますし、15分ほどで結果が出ますので、検査当日にお伝えできます。
当院では衛生管理を徹底しています。開院して15年以上経ちますが、いまだに感染したスタッフはひとりもいません。ご安心ください。
患者さんも、疑いを持って受診される時は院内の雑誌などに触れないよう、ご協力をよろしくお願い致します。
お子様を持つご両親へ
弱視の治療は8歳までしかチャンスがありません。メガネをかけるだけで弱視の予防は可能なことが多いので、「メガネをかけさせるのはかわいそう」なのではなく、「メガネをかけさせないことが本当にかわいそう」と、私は思います。
幼い時にメガネをかけなかったために、一生治らない「弱視」を親がつくってしまう可能性があるのです。「先の長いお子さまの将来」をなによりも優先してあげてください。